Vol.04

『すぐに無料で使える保存特化型の電子帳簿システム3選』

2022.03.15更新 (2022.01.18)

①はじめに

2022年1月1日に施行された電子帳簿保存法の改正により、電子データで受け取った各種帳票の電子データでの保存が義務化されました。
2年の猶予期間が終わる、2023年12月31日までに準備を進め、2024年1月1日からはすべての対象帳票に対して保存要件、検索要件を満たして保存する必要があります。

②保存に特化したシステム

電子帳簿保存法改正に対応するシステムの選び方に記載した4つの対応法のうち、
 ・その2:新しいシステムを導入する
を選んだ場合に、保存に特化したシステムを選定する方法があります。
 ・その1:導入済みのシステムを使う
を選んだ場合でも、すべての帳票、すべての取引先に対応できない場合が多く、その場合は保存に特化したシステムと併用するケースが多くなると思われます。

保存に特化したシステムのうち、さらに、
 ・前提条件などなく、すぐに無料で使える
 ・期間限定などではなく、恒久的に無料で使える
に合致するシステムを3つ紹介します。

当社がリリースする「SATSAVE(サットセーブ)」がその1つです。
この後、3つ紹介していきます。他にも、上記条件に合致するものがあれば、紹介していきます。

③SATSAVE(サットセーブ)の特徴

SATSAVEは、当社(アイテック阪急阪神株式会社)がサービスしているクラウドサービスです。

無料プランの申し込みからすぐに利用開始できます。
ユーザ数:無制限、利用期間:無期限のため、会社規模によらず、まずはお試しとしてご利用になるのに最適です。

無料プランでは容量制限として500MBとしていますが、100件/月の帳票を保存する場合は約2年間分の保存容量となります。
(1帳票、200KBとした場合)

まだまだ、紙の帳票の方が多い状況だと思いますので、当面は問題ない容量です。

容量が足りなくなってきてから、2GBのライトプラン、20GBのスタンダードプランにプランアップすることができます。
また、スタンダードプラン以上については、組織管理、ワークフローにも対応しており、個々の帳票に対しての閲覧制限や、承認機能を利用する事ができ、大規模な会社まで使える拡張性が高い点がメリットです。

最大の特徴は、簡易EDIと呼んでいる送受信機能です。
単純な帳票保存に加え、取引先に対して、帳票の送付が行えます。
これにより、取引先側でも、電子帳簿保存法に則った保存が行え、これを機会にペーパレス化、業務改善が可能となります。
お気軽に、こちらからお問い合わせください。

<SATSAVEを無料で提供する理由>

SATSAVEは、阪急阪神ホールディングスグループの80社以上で、2022年1月1日からご利用開始いただいています。
最大の特徴である、簡易EDIを利用するためには、取引先にもSATSAVEをご利用いただく必要があります。
その際に、複雑な手続きを行わなくても、無料で、すぐにご利用いただけるように無料プランをご用意しています。

これにより、各種帳票のペーパレス化を推進し、メールのPPAP問題を回避し、業務改善を推進していきます。
インボイス制度(適格請求書)対応や、AI-OCR対応、電子契約(SATSIGNとの統合など、当社グループの業務改善のための機能アップについても、順次フィードバックしていく予定です。

④マネーフォワード クラウドBoxの特徴

株式会社マネーフォワードが提供するクラウドサービスです。
https://biz.moneyforward.com/box/

最大の特徴は、ユーザ数:無制限、利用期間:無期限に加え、保存容量が無制限な点です。
さらに、プレビュー機能があり、登録した帳票をみながら操作ができます。

マネーフォワード クラウド会計や、クラウド請求書と連携して利用する事で、本格的な運用を行う事ができます。
クラウドBox単体でご利用されるというよりは、他のサービスを補完するような位置づけと思われます。

単体でご利用される場合は、個人事業主や、経理部門ですべての帳票を管理している会社が実質的なターゲットとなります。
タイムスタンプ付与にも対応していますので、ひとまず電子帳簿保存法に則って、保存だけできればよいという会社には適していると思います。

⑤バクラク電子帳簿保存の特徴

株式会社LayerXが提供するクラウドサービスです。
https://bakuraku.jp/denshichobo

最大の特徴は、AI-OCR(Freeプランでは、5件/月までお試し)に対応し、プレビュー機能があり、登録した帳票をみながら操作ができる事です。

Freeプランではユーザ数が5名に制限されますが、500件/月の帳票を保存する事ができ、多くの会社で十分な容量と思われます。
個人事業主や、経理部門ですべての帳票を管理している会社であれば、5名のユーザ数制限も問題となりませんので、そのような事業者にとっては無料で利用し続けることができるサービスです。
5名以上利用したい場合は、5,000円/月のProプランにプランアップする事により、ユーザ数制限がなくなります。

また、Proプランについては2022.2.8と2022.3.15のバージョンアップにより、閲覧できる書類範囲、権限をチームや役職設定に応じて管理できるようになりました。(2022.03.15更新)

⑥3つのシステムの比較

無料で、すぐに使えるという条件を満たした、3つのシステムの比較表です。

SATSAVE

初期費用0円
月額0円
ユーザ数無制限
利用期間無期限
保存件数/容量500MB
送受信機能
タイムスタンプ対応予定
AI-OCR対応予定
有料プラン
提供会社アイテック阪急阪神株式会社

クラウドBox

初期費用0円
月額0円
ユーザ数無制限
利用期間無期限
保存件数/容量無制限
送受信機能×
タイムスタンプ
AI-OCR×
有料プラン×
提供会社株式会社マネーフォワード

バクラク電子帳簿保存

初期費用0円
月額0円
ユーザ数無制限
利用期間無期限
保存件数/容量500件/月
送受信機能×
タイムスタンプ
AI-OCRお試し利用
有料プラン
提供会社株式会社LayerX

⑦まとめ

2年間(2023年12月31日まで)の猶予期間が設けられたため、今すぐに対応する必要はなくなりました。
電子帳簿保存法が要求している取引書類は多岐にわたっているため、すべての帳票、すべての取引先との授受を、1つのシステムに統一する事はほぼ不可能です。
したがって、複数のシステムを併用する事になると思われます。
今後も、無料、有料、ERPとの連携システムなど、さまざまなシステムが出てくると思われます。
まずは、このような無料ですぐに利用開始できるシステムを使って、運用検討、スモールスタートされてはいかがでしょうか?